母がジャンプNEXTを間違えて買ってきてしまったのでひとしきり馬鹿にした後で(しばかれた後で、とも言う)ちょっとだけ読んだんですが、巻頭の『ニセコイ』がとても面白かったです。作者は古味直志。WJ本誌で『ダブルアーツ』連載してた人ですね。
 幼なじみ同士であるヤクザの息子とギャングの娘が組同士の抗争を落ち着かせるために恋人を演じる、というベタっちゃベタな短編です。漫画開始時点では二人の仲は険悪で、とは言っても本気で憎み合ってる訳ではなく、ツンデレ×2といった様相。もうこの時点で来るべき「すれ違いの解消≒同時デレ」を待ち望んでしまいますよね、とか言い始めるといよいよキモオタの本領発揮って感じでアレですがまあ盛大にブヒりましょう。欲望には素直に。ツンデレ一途なお嬢様ってかわいいよね。
 
 ……真面目に何か書いておくと、個人的にダブルアーツ読んでてあんまり好みじゃないなーと思った要素は「既存キャラを立てる前に新規キャラをどんどん増やしすぎたこと」「世界観/能力設定が無駄に壮大」の二つなんですよ(某氏が無敵看板娘を褒める時の文句とちょうど逆ですね)。長期連載を見越したせいで足元を固められずに落下する感じ、とでも言いましょうか。その点、この読み切りでは絵柄含めたキャラ自体の魅力と、単純明快なプロットでもって勝負してて、とても好感を持ちました。こんな風に、素朴で単純で傍から見てると青臭くて、でも青春な物語を、ぜひ本誌の連載で読んでみたいなあと。