きっと殆どの物事は幻想で、もしかすると殆どどころかあらゆる物事が幻想なのかも知れないのだけれど、幻想も強度さえ高まれば不都合なく動き始めるよね、というのはつまり一種の共同幻想を想定した言い方で。透過する放射線を四方から当てる事で体内の患部だけをピンポイントで焼ききるがごとく、各自の幻想を重ねあわせることで共有可能な物語を特定の場においてのみ顕現せしめるという儀式。