高校生の頃、00年代の音楽なんてチャラくて聴いてられないぜ、とか本気で思っていた時期がある。今となってはデロリアンでタイムスリップしつつそのまま轢殺したいくらいの黒歴史だ(そのように思っている人々に対して特に思うことはないのだけれど。対象が過去の僕自身であるからこその殺意であって)。認識の変遷を成長と見なすことはしたくないのだが、阿呆なことをしていたなあとは思う。本気で聴いてられないと思った上で、そうしていたなら何の問題もなかった。でも当時は確かに、気に入ったものですらこの自己規定がゆえに認められないと感じていた。あの懊悩を今でも覚えている。勿体無いことをしていたものだ。
 などと、TravisのThe Boy With No Nameを久方ぶりに聴いて思った。Under the Moonlightなどは(主観的好みに照らし合わせて)完璧であるといっていい。こうやって見落としてきたものが沢山あるのだろうな、と残念に思う。