邪気眼を皆が通る道として描くことで、世界から爪弾きにされた者の逃避はその他大勢の罹る流行病として解される。外部化されたイメージの一部として回収されてしまう、といってもいい。固有の妄想はその細部を失い、後には類型化された分析だけが残る。そのような眼差しが弱者を殺すのではなかったか?
 ……というようなことを考えていたんだよなあ、と今日の話で思い出す。貸しっぱなしなので再読できない。