ある程度の時期を境に、その当時までの自分の脳味噌を全面的に信用することができなくなる。4、5年前に考えていたことなんかは大抵そのままじゃ生かせず、全くの別人の考えたものとして解釈せねば話にならないのだけど、それにしたってあまりにも考えが浅いように思われる。
 ……思われる、というのが重要で。価値観の変遷、着眼点の遷移、そういった要素を無視して考えても仕方がない。また、仮に考えが浅かったとして、当時抱いた感慨を否定するようなことがあってはならない、とも思う。