コミュニケーションの巧拙という概念の相対性を無視して所与のごとく扱う思想を受け容れてはならない。前提を疑い、勝利条件を正しく設定するところから闘争は始まる。
 相手に成り代わることではなく、相手に認めさせることでもなく、正しく断絶の認識を共有する、ただそれだけの為に戦う。わかりあえないことをわかりあった上で正しく別離を果たす、そのためにただ一度だけ交わる。相容れないもの同士の交感とは、そのようにあるものではないのか。