THE UNLIMITED 兵部京介がすごい面白いですねー。あと精神が詰んでおり本当に死にたい。本当に。
 敵方が主役のスピンオフで、媒体がアニメ。なので、原作とは色々と描写のレベルが変わっている。構図が同じでも、事象が同じでも、感情移入先が異なる以上、それは全く違った色彩をもって画面に現れる。原作においてはギャグにしてしまうことでエスパーを差別/排斥する「普通の人々」という存在のグロさを低減していた訳だけれど、ノーマルと共にあるエスパーの陣営から見た原作とは違い、ノーマルに恨みを持つ人間にフォーカスしたTHE UNLIMITEDでは、その種の差別/無理解は割と洒落にならないものとして描かれる(とてもギャグとしては処理できない)。融和が目的でない以上、無理解や偏見を和解への布石として機能させることもできず、断絶は断絶として存置される。そういう救いのなさが描かれた直後に「パンドラのメンバーは家族みたいなもの」とか言い出すんだからもうエモすぎて、アンディの動向から目が離せませんね。それにしても少佐は悪趣味だ。
 ちなみに上記したギャグにすることで云々というのは勿論disではなく、むしろ端的にテロと称するほかない命を狙った攻撃を差別意識から行えてしまうような終わった人々にもギャグに参加する余地がある(人間性がある、本当に「普通の人間」である)として描くその正しさ/真面目さ/容赦のなさが椎名高志だなーと思う訳です。