自宅で足が柔らかいものを踏むと、ハムスターを踏んでしまったのではないかと焦る。彼はもういないのにも関わらず。
 正常な世界の認識とは別のところに、身体性に属する系の運動の中に、彼の記録が残されている。反射の回路が身体的に形成されている。心の中に生き続ける、といった把握よりもそれは遥かに僕にとっては確からしい実感だ。