祝祭は感情の昂ぶりから帰納的に要求されるものとは限らない。祝祭は感情を規定する。或いは、感情を規定するための手続きが祝祭である。
 後者のような形容が成立する理由―――祝祭は起源を忘却させる。形式がその本質であり、機能と効果とだけが鑑みられる。恋に恋するように、我々は祝祭に心を動かす。