たとえば聖剣3やFF6に感じていたあの灼けつくような/脳がおかしくなるほどの愛着をどうやって伝えればいいのだろう、みたいなことを考えると、やはりゲームの話ってものすごく難しい。神秘を避ければシステムや思想の話に終始するほかない。あれはよかったよね、と郷愁に浸る語り口は(もちろん相手によるけれど)あまり愉快でない感覚を呼び寄せるので努めて避けている。
 そのようにして漫画に/小説に/音楽に/その他ありとあらゆるものに気が変になりそうな愛着と言及の困難さとを併せ持った他者がいて、そこにはある作品を介して非対称な熱意をぶつけながら対話する場が成立してしまう、ということにはいつだって意識的でありたいが、無論できていない。