何か作業をしてる時には意味の理解できる歌詞が邪魔なので、たいていオボボボボボヴィィィィヴィィィィィといった感じでゲロ声出してるデスメタルか、或いはゲームのサントラを中心としたインスト曲を流してます。お勉強のためにTwitterを禁じている現状、必然的にそういった音楽を聴く頻度が高まっている訳ですが、智代アフターのサントラを流した時にちょっとした与太を思いついたので書いておきます。
 #8の"old summer days"、ピアノを主体とした非常に綺麗な曲なんですが、異様にピアノの音が遠いです。他の楽器はちゃんと近くで鳴ってるのに、ピアノだけが遠く、また靄を隔てたような曖昧さを持った音になっています(単純にローファイな音、という訳ではない気がします。印象論ですが)。他の曲を聴いてみると、生ピアノの音を強調したものから敢えて打ち込みっぽさを強調した細く弱い音まで色々使い分けられてるような気はしますが、それでも鳴ってる位置は他の楽器とそう変わりません。唯一、この曲だけが妙な奥行き――ピアノ奏者だけが遠方にいるような――をもって聴こえます。何かを通したような音の劣化も相まって、まるで隣の部屋での演奏か、或いは古い映画の中での演奏を聴いてるような気になります。
 で、ここからが酷い与太。或いはここからも酷い与太、と言うべきかも。
 僕は智代アフター未プレイなので推測でものを言うしか無いんですが、この曲が流れるシーンの中に回想シーンは無かったでしょうか。美しくも、どこか頼りなげにしか聴こえてこないピアノの音。それが幸せだった過去の象徴だとしたら、触れ得ないものを象徴するテーマとしてこの曲が位置づけられているとしたら……個人的にはすとんと納得のいくところです。触れ得ない過去が薄靄の向こうに映るイメージ。――そんな与太。
 
 もともと夏影のmidiを聴いたのが鍵とのファーストコンタクトだったこともあり、どの作品も音楽を先に聴いてから触れてきたのですが、この曲はオリジナル音源を聴いた時から不思議な空間表現だなあと首を傾げさせられていました。とりあえず無理やり説明を付けてみましたが、与太というほかねーですね。