はじめの一歩の鷹村ホーク戦は作中水準での「最強」の形を提示してしまっていて、だから作品それ自体に止めを刺してしまったと見ていい。
 野生、知性、勇気―――作中で提示されてきた「強さ」の要素をひとつひとつ丁寧に積み上げて最後の頂まで描き切ってしまったのだから、異能バトルじみた謎パンチが平然と導入されてしまったりすることも驚くにはあたらない。そんなことを思う。