長野まゆみ『サマー・キャンプ』を再読している。小説の読み方、というものが最近ようやく掴めてきた気がしていて、つまり普段の僕が感想として書き散らかしているようなテーマの図式的な把握や要約可能なシナリオの構造などに還元せず、小説そのものを読むということの入り口がやっと見えてきたかなというくらいの話なんだけど、そうなると明らかに読めていなかった作品群のことを考えずにはいられない。
 ようやく人生の短さというものを実感しつつある。ただ読むだけなら幾らでも可能だろうが、善く読むことはとても難しい。