キラ☆キラ始めました。序盤も序盤、女装の話の直後くらいの感想。
 目の前の誰かに伝えるための音楽であり、味方ではないかもしれない/見知らぬ誰かを感化させるための音楽である、と少なくとも最序盤の描写からは受け取れる。CDやストリーミングという形でパッケージングした音楽を流通させたり、或いはけいおん等の作品で描かれるように絆として/内向きのコミュニケーションのために音楽に触れることとは異質な態度。ハレの祝祭、ある種の呪術めいた集団洗脳の現場として音楽ライブが言及される例はおそらく枚挙に暇がないが、そのような/極めてプリミティブな音楽の在り方を本作は志向しているように見えて、文化祭という最初の舞台もそのような構図の純粋さを担保するのではないかと現状では予想される。そしてその純粋さがどのように現実との間に軋轢を生むのかな、とも(バンドが成功してなんかツアーとかするらしいことは既に知ってる)。
 
 個人的にはこういう音楽像ものっすげえ好きで、犬神サーカス団の『神の犬』という最高のコンセプトアルバムがあるんですが(ラスト3トラックが特に最高)、アルバム曲の中に”放電された呪いを浴びて/早死にするのはスターの運命/膿を吸い取る狂い唄/血染め地獄の子守唄/それは愛の唄”ってフレーズがあって、なんか常に想起しながらプレイする感じとなった。いや供犠としてのスターみたいな話にはならなそうだけど。