なんで二回もFateの話をしたかというと、これから紹介する作品を久しぶりに読みなおして何か心が荒ぶったからです。
 
 『セイハイトラブル〜戯言遣いと白い御伽噺〜』(Fate、短編)
 ttp://book.geocities.jp/maru_sleep/
 戯言遣いシリーズとFateのクロス。いわゆる異英霊召喚もの(って言葉が『いわゆる』で通じる現実に慄きますよね)なんですが、召喚されるのは人類最強でも殺し名の面々でもなくいーちゃんで、更にバサカの代わりにイリヤに召喚されるという変則っぷりが特徴の作品です。クラスは不明なので、便宜上イリヤからは"ライアー"呼ばわりされてます。ぴったりですね。
 ダイジェスト形式で進行するので、ライダーとかランサーとかキャスターとかアサシンとかは一瞬たりとも出てきません。というか、たぶん言峰との会話こそが肝で、他のキャラとの接触はおまけに過ぎないんじゃないかという印象でした。言峰の価値観をきちんと把握した上で書いてるというのが、個人的には最も評価したい点だったりします。
 
 ところで、鏡写しの殺人鬼と仲良く語らうってのはよくあるモチーフなんでしょうかね。このSSとは直接関係しませんけど、初めてクビシメロマンチストを読んだ時に月姫のあのシーンを想起したもので。