FFXが凄く好きなんですよ。アジアっぽいような中東っぽいような不思議な世界観も好ましいし、システムも(ちょっと尖りすぎてて鍛えるとバランス崩壊しがちとはいえ)普通にやってる分には練りこまれたものと思いますし。でも何と言っても物語の雰囲気こそがたまらない。序盤は「よく解らないけど楽しく旅をしよう!」という感じで、中盤からは様々なものの裏に黒い意思が見え隠れし、迷いや衝突を繰り返し、そして終盤、それまでの旅の思い出を噛み締めるような、郷愁に満ちた雰囲気に一変する訳です。そう、郷愁。たぶん、あれほどまでに「終わり」ってものを意識させられたRPGってのは今まで無かったです。ラスダンまで盛り上がって盛り上がって、ラスボスを倒してエンド……というのではなく、FFXにおいては、もはやラスボスを倒すことなんてエピローグの一部みたいなものに感じました(ゴキブリ的な意味じゃなく)。世界の謎が解かれて、主人公ティーダとプレイヤーだけがあの終わりの予感を共有する。他のパーティーメンバーとの間に横たわる断絶。それでも歩みを止めず、予定調和のエンディングに向かって「いつもどおりに」明るく歩みを進める主人公の姿には感動すら覚えました。プレイ開始した時にはFF史上最もどうでもいい主人公になるかもなーってくらい合わなかったんですが、そんなことはありませんでした。朝焼けを背にした古代遺跡の情景が、今でも思い出されます。
 
 TLでシーモアバトルって文字列を見かけちゃったのでつい荒ぶり。しかしアニマの印象が強くて最終異体とか覚えてねーですね正直。