ベアプログラミングという概念がある。二人一組でミスを指摘しあう手法をペアプログラミングというのだけど、そのパロディのようなものだ。要は熊を相談役としてプログラミングすることを指すのだけど、なんでも、実際にテディベアをプログラマーの机に設置、人間に相談する前段階として必ず熊さんに相談してみなければならない、という規則を敷いている場所もあるそうだ。馬鹿馬鹿しくも微笑ましい話ではあれ、冷静に考えると、思考の停滞に対して非常に有効なのでは、という気がする。僕の場合、物語を綴っている時や専門書を読んでいる時にブチ当たる壁というのは、その素性が知れないからこそ恐ろしいもので、この情景描写は間違っているだとか、この式の出所がわからないだとか、そういった問題が具体的に記述され得る状況にさえなれば、なんとか打開できる可能性が拓けてくるような気がする。……打開できないにしても、誰かに聞くとか、未来の自分に丸投げするとか、そんな時に多少マシな説明ができるはずだ、と思う。
 などと思ったので部屋を見渡して僕の相談役を探してみたものの、ガンプラは何やら刺々しいし、figma武装神姫に話しかけるのは非常にこっ恥ずかしい。何か適当な相手はいないものか、と考えているところだ。現在有力なのはアッガイあたり。