ビビスト最終話。
 こんな筈じゃなかったことばかりでも、それでもなお、世界は人の優しさに満たされている。ひとつの悲劇に狂った少女がそのことに気付くための物語であり、フーカ氏の「腐った目」「濁った目」という形容は、だからどこまでも正しい。世界を直視するための物語。
 なのは本編が世界の酷薄さをどこまでも加速させる方向に舵を切ったのとは対照的に、ビビストでは世界の優しさが最大限に確保されている。限りない悪意を前に終わらない闘争を続け、事実として頓挫してしまったシリーズのスピンオフとして、外圧を廃した物語を描いたその判断はどこまでも精確だと思う。まとまらんのでそのうちまた書く。